Cervejaria Ramiro

リスボンの街の中心からちょっと離れたローカルな場所にあるこの店は、リーズナブルな価格で美味しい甲殻類が食べられる有名店で、ポルトガルでは夕飯にはまだ早い19時を過ぎた頃でも店の前の通りは入店を待つ人でごった返していた。
人数を告げると番号の入ったチケットを渡され、順番が来るとその番号が掲示板に表示されると共に、英語、スペイン語、ポルトガル語、など、待っている人により選定された言語でその番号がアナウンスされる。入口の前には、それらの予約管理をするiPadを持った男性が一人で対応しているが、彼の仕事ぶりが素晴らしかった。

「ちょっと外していたのだけど、私の番号呼ばれたかしら?」
「随分待っているんだけど、あとどのくらい?」
「30分後に来るから席をとってくれない?」
etc.

私を含め、まぁ皆勝手なことばかり言っている。
が、彼は嫌な顔一つせず、ひとつひとつ丁寧に対応するばかりか、いよいよ番号が呼ばれて店内に案内された時には「お待たせしました」とばかりに笑顔まで見せてくれた。

活気溢れる店内のオープンキッチンでは、年季の入ったおじさま達が手際よく甲殻類をさばいては料理を仕上げ、次から次へとカウンターからテーブルへと料理が運ばれてゆく。客席の長テーブルでは、隣人同士が料理を指差しては 「それは何? 美味しい?」 「美味しそう!!」 「私も頼むわ!」 などの会話が飛び交い、テーブルの上には所狭しと並べられた料理とワイングラスの間に、甲羅や海老の殻などが散乱し、’ザ・美味しい店のテーブル’ といったところ。
サーブされる料理は、グリルやスチームした海老、蟹、貝、にオリーブオイル、ハーブ、塩をふって、と極々シンプルな料理。 でも、それが素晴らしく美味しい。
例えば、食べ慣れたはずの海老のアヒージョも絶妙な辛味と塩加減に思わず笑みが溢れ、惜しみないガーリック&バターが染み込みだ山積みのパン(おそらくアレンテージョブレッド)は、永遠に食べ続けられる。

驚いたのは、食事が終わり店の外に出ると、まだ大勢の人たちの予約をさばいている彼が近づいてきて「タクシー呼ぼうか?」と聞いてくれたこと。 店内でサーブを担当してくれた男性もまた同じく、「毎日こんなに忙しくて大変だねぇ」と言うと、「全然! 毎日楽しいよ!」と。
料理を一層美味しく感じさせ、また来たい、と思わせるのは、やっぱり人だ。

Cervejaria Ramiro @Lisbon
来店の際はぜひご予約を。